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応急手当講習受講レポート

日時:2008年11月23日(日) 9:00~13:00

場所:千葉県浦安市消防本部

報告:望月

CVJのノンサイクリング活動として、初の公式行事「応急手当講習会参加」が実施された。CVJの主な活動の一つに、「災害や非常時などの自転車を活用した被災者のニーズに応える協力の推進」という項目があるが、そのような非常時にはたくさんの怪我人がいるはずで、まずはそうした人たちを救うスキルを学ぼうということから今回の受講の運びとなったものである。立派である。このような催しは数あるスポーツクラブの中でCVJが初ではあるまいか。応急手当講習会は多くの消防署で定期的に一般公募されており個人参加可能だが、ある程度の人数がまとまれば任意の団体のみでも受講できるのである。中島さんが地元浦安の講習会受講を手配して月例会で説明され、関東在住の希望者9人が参加したのであった。

さて当日。6階建ての立派な白いビルである消防本部を訪れ、講習会場の4階大会議室(12m四方ほど)に入ると、講師の三浦救急隊救命士(30歳すぎのまじめそうな青年)と二人の女性指導員が待っていた。9人の受講者には広すぎる部屋は新築だろうか、真新しくて気持ちがよい。座学のためにイスが並べられており、テキスト(A4版39ページ)などが各自に配布された。床には実技用のマットが敷かれており、人形や機械も用意されていた。そして講習が始まった。まずは心肺蘇生法である。三浦講師によると、ここだけ覚えて欲しいと言えるほどの重要なものであった。心肺蘇生とは、心肺が停まると心配だから、胸骨圧迫と人工呼吸の二つの処置で蘇生させる技術である。胸骨圧迫は、あお向けにした要救助者の胸の中央部を一定のリズムで押し下げて停まった心臓を動かすものである。手順を細かく書きたいところだが凝り性の自
分はどうしてもくどくなる恐れがあるし、「レポートまだですか?年内の約束ですが」と中島さんに2回も催促されているので時間の関係上、涙をのんで割愛したい。要は胸骨を1分間に100回のリズムで、強めに30回押すのである。これは以前は15回とされていたが、AHA(アメリカ心臓協会)の研究で、短時間では効果が少ないことが分かったので改められたのである。5年ごとに見直しがなされ、現在はAHAガイドライン2005準拠の内容で普及しているのである。だから来年は変わるかも知れない。皆さん勉強しましょう。

練習相手となる人形のシリコン製ボディの胸部を直接圧迫するのである。実際の人間相手では薄着なら着衣のままでよく、オーバーのような厚着なら脱がすのである。そして人工呼吸は口移しで息を2回、対象者の口に吹き込むのである。今回の講習の実技練習は、この組合わせ3セットで1サイクルとして行った。人形とはノルウェー・Laerdal社製の「レサシアン」、世界中に普及しているこの種の練習の専用品である。(参考http://blog.tsuzuku-dc.com/?eid=679833)日本で40万円ほどのレサシアン、ノルウェーでは約26万円と、並行輸入するとかなり安い製品であった。なぜ知っているかというと、自分の父も凝り性で、以前救命講習を夫婦で受講するや救急救命普及員になって日本中を行脚したいとの啓示を受けたようで、まずレサシアンを所有する必要がある。だからノルウェーの会社の人に頼んで買って送ってもらえ、と自分に要請したことがあったのである。当時電器会社の欧州各国に輸出する部署に勤務し、在諾子会社も担当していた自分であるが、そんなことをお願いできるわけがない。しかし一応内外価格を調べたのであった。あれは平成6年頃だったか、為替はいかほどだったろう。当時はファックスで聞いたものだが今はネットですぐに分かる時代になった。またこれも余談だが今は輸入販売業をしている自分、多くの海外製品の内外価格差や輸入原価の研究に余念がなく、日本の消費者が輸入品の多くでいかに損をしているかに憤慨している。しかし本当に憤慨すべき対象は決して外部の何かではなく、自分自身の怠慢であることにようやく気付いたこのごろである。

どうも余談が多い。余談に生きているような気さえする自分である。さて講習は続く。災害時に道に倒れている人を見つけてから、声かけなどを経て上述の心肺蘇生をする手順を全員で何度も唱和して覚え、次いで一人一人がレサシアンで何度も練習したのであった。人工呼吸は、各自に支給された専用具(蘇生用マウスピース・RESACO)を使って衛生を期す。当然誰もが慣れない手つきであり、「気道確保!」などの必要な声出しが小声になってしまいがちであったが、全員が熱心に取り組んだ。回復体位という、失神しているが呼吸をしている対象者にとらせる姿勢も学んだ。横臥した対象者の片腕を下にして、上の脚の膝から下を自然に接地させるのであるが、これをメンバー同士で練習台となって実施するのである。自分は梅村さんに子犬のように転がされ、くすぐったかったのであった。実用的なヒントも学んだ。例えば吹き込む息はフウーと強くしすぎず ハアー というイメージでとか、対象者のメガネは取ったほうがやりやすいとか(コンタクトだとどうするのだろう?)、圧迫の間隔(1分間に100回)は、♪ももたろさん ももたろさん と同じですよといった具合である。碓井さんは、このリズムはディスコでよくかかる曲「ステイン・アライブ」”Ah, ha, ha,ha,stayin’ alive, stayin’ alive゛だと言い、後でネットで検索してみるとそのとおりであった。(www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/187529)1分100回の電子音を発するストップウォッチのような専用機器YAMAHA・ME-50が床に置いてあり(使わなかったが)、その機能を有するカシオの腕時計もあるという。技術を習得し、最低限必要な道具を所有するとよく、それが生涯に一度あるかないかの非常時に役に立つのである。日本人はこのことを軽視しがちだが、CVJは違うのである。えらいぞCVJ!そして2時間ほどで心肺蘇生が終わり、次はAEDの教育となる。

AEDとはAutomated External Defibrillator(自動体外式除細動器)で、心臓が痙攣して血液を送り出すポンプ機能を失った状態(心室細動:個々の心細胞がびくびくと勝手に動く)の心臓に電気ショックを与えて正常なリズムに戻す機器であり、すでに停まった心臓を動かすものではない。最近は駅などの公共の場所や大きなビルに設置してあり目にすることが多い、ショルダーバッグほどの大きさのものである。自分の勤務先のショッピングモールの総合案内所にも置いてある。AEDは一組の通電パッドを胸と脇腹に直接貼るので対象者はなるべく上半身裸とし、女性の場合はためらわれるので服の上からでもよく、または女性が対象者のブラジャーをずり下げて実施する配慮を要するものである。…と、ここまで書いたところで中島さんから3度目の催促メールが入ったので筆を急がなければならない。

AEDもまた各自がレサシアンに対してみっちりと練習したのであった。そして最後にチョーク(のどに物が詰まった)の対処などいくつかを学び、しめくくりとして10問の筆記試験を受けた。満点は福田さんと中島さんであった。最後に講師が総括し、総務省のアンケートで、普通の人の70%が災害時に要救助者を目にしても「どうすればいいか分からない」と答えたことを述べ、
我々受講者が今日これをクリアしたと高らかに宣言したのであった。そのとおりで、いいことを学んだという充実感があった。そして講習は終了した。記念撮影して消防本部を辞すと時刻は午後1時過ぎで、空腹の我々は近くのファミレスになだれこんだのであった。こういった技術は時間とともにだんだん忘れていくので、ぜひ再度習いたい。この講習受講はCVJの毎年の行事にすればいいと思う。
後日、普通救命講習終了証が届いた。CVJ会員証と同様の形状で、浦安消防本部消防長発行のものである。「救命技能を有することを認定する」と記してあり、受講者は非常時にその責任を果たさねばならない気がする。 完


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